動物総合病院ユニベッツ福岡

犬の避妊手術

 

 この記事のポイント


  • 避妊によって予防できる病気がある
  • 手術は1泊2日、2日目の朝に退院
  • 避妊後は太りやすいので注意
  • 避妊手術費用の目安

手術って怖い!?

手術、と聞くと怖い、痛い、という印象を持たれているかと思います。ユニベッツでは可能な限り痛みを小さく出来る方法や、麻酔をかける時間を可能な限りに短くする方法を選択し、動物に与える痛みや苦しみを小さくする努力を日々研鑚しています。痛みや苦しみを小さくすることを医療用語では「低侵襲医療」と呼び、ユニベッツにおける医療方針の大きな柱のひとつとなっています。

避妊手術そのものにかかる時間は、開腹手術で15分~30分ほどです。手術を開始するための麻酔や、麻酔から覚める時間も含めると1~2時間ほどで終了します。その後、目が覚めていても完全には麻酔が抜けきらずフラフラすることはありますが、翌朝には元気に退院しています。

なぜ避妊手術?

避妊手術の目的は、メス犬の子宮と卵巣を取り除き、繁殖能力を失わせることと、女性ホルモンの分泌を断つことです。女性ホルモンが引き起こす病気は、ときに命に関わる重大なものが多いですが、そのリスクを避妊手術によって格段に下げることができます。

避妊手術により予防できる病気には以下のようなものがあります。

  • 子宮蓄膿症
  • 乳腺腫瘍(乳ガン)
  • 卵巣腫瘍(卵巣ガン)、卵巣嚢腫

特に乳腺腫瘍は、未避妊雌においてもっとも多く発生する腫瘍で、若いうちに避妊手術をすることによって防げます。発情の経験の回数が少ないうちに手術すれば、乳腺腫瘍の発症率は下がる傾向にあります。

一方、避妊をすることにより起こり得るデメリットは次のようなものがあります。

  • 体重増加
  • 頻尿、失禁が見られることがある
  • 麻酔をかけることのリスク
  • 繁殖ができなくなる

ユニベッツでの避妊手術

小さな病院では獣医1名とスタッフ1名の計2名で、手術用ガウンは使わずに、処置室などで簡易的に行うことが多いようです。
ユニベッツでは正式な手術と同様の体勢で行います。手術前には手術室全体をくまなく消毒します。消毒後は清潔な手術用スリッパに履き替えます。執刀医・助手は滅菌ガウン・グローブを装着し、手術室に入る全員は手術用スクラブ・ヘアキャップ・手術用マスクを装着します。患者さんには滅菌ドレープをかけ、術野以外に触れないようにして、手術を行います。執刀医1名、麻酔医1名、外回り助手2名の計4名体制で手術します。
数多く経験している手術だからといって慢心せず、何かアクシデントが発生しても、適切に対応がとれる体制を整えております。

手術室は大きくガラス張りになっており、ビデオカメラも備えております。待合室から手術の様子をガラス越しやTVモニタでご覧いただけて、安心です。

避妊手術の事前検査

血液検査

麻酔をかけても問題がない体質かどうか、血液検査で血液や内臓の状態を診ます。

症例

マルチーズ 0歳10カ月 混合ワクチン接種済み 体重2.5kg

事前検査

肝臓に関する数値に若干上昇が見られるが、問題なし。麻酔可能。

手術当日

朝から絶食絶水。午前10時に来院いただき、問題が見られないため手術実施。お預かりして、点滴を開始。点滴を外さないように、エリザベスカラー装着。

手術開始までに、術野(腹部)の被毛を丁寧に毛刈り。

午後12時半、入院室から手術室に移動。エリザベスカラーを外す。静脈から鎮静薬を投与してから、気管挿管。麻酔開始。術野を丁寧に消毒。術野のみが露出するように滅菌ドレープ(覆布)をかける。

午後12時45分、手術開始。執刀医1名、麻酔医1名、外回り助手2名。メスと電気メスで5cmくらい切開し、子宮と卵巣を取り出し、左右の子宮間膜をシーリングしながら切除。次に子宮頸管を糸で結紮し、切除。卵巣と子宮を摘出。

午後12時55分、縫合。麻酔オフ。手術終了。

午後1時10分、麻酔から覚醒、抜管。痛み止め投与。様態が落ち着くまで酸素吸入。

午後1時30分、様態が落ち着いたため手術室から入院室へ移動。以後10分おきに様態と出血チェック。患部や点滴ラインを口にしないようにエリザベスカラー装着。

午後5時、食餌を軽めに食べる。

手術2日目

朝食を完食。元気あり、散歩も歩き、排便排尿あり。午前中に退院。自宅でも患部を舐めないようにエリザベスカラーをつけたまま生活してもらいます。

手術10日目

経過良好。抜糸。これで手術終了です。

予後

術後、ホルモンバランスの変化により体重増加が見られることがあります。食餌量を減らすか、避妊用のフードを与えることをおすすめします。

ユニベッツで避妊手術をされた方には退院時に、避妊用フードのサンプルをお渡しいたします。(ロイヤルカナン社・ニュータードケア)ユニベッツ院内の飼育動物や、入院患者にも使っている、信頼性の高いペットフードです。クーちゃんも避妊後ずっと食べています。

◆ユニベッツ福岡での犬の避妊費用(税別)

¥30,000(8kg未満)~
1泊2日の入院料・内服薬料・抜糸料込み

点滴料(必要な場合):3,000円~

事前検査
  初診料:1,800円(登録済みの場合、1,000円)
  血液検査:5,300~8,800円

ユニベッツ福岡での犬の避妊手術件数はこれまでで累計1,000件超。痛みも小さく、安心の設備、確かな技術。数多くのご家庭で、新しい家族と楽しく健康に生活できるサポートには、ありがたいことに高い評価をいただいております。

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